大阪のダンススクールアスワンです。
本格的に寒くなってきましたね。
「冬の朝、布団から出るのがつらい…」そんな寒い朝は、実は命に関わる危険が潜んでいる時間帯だとご存知ですか?
冬の朝は1年でも最も心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる時間です。その原因となるのが、
急激な温度差による「ヒートショック」と、血圧の急上昇です。特に40代以降は血管の柔軟性が低下し始めるため、寒暖差への注意がより重要になります。
厚生労働省の調査によると、入浴中の急死者数は交通事故死者数を上回る約1万9000人。
その多くがヒートショックによるもので、冬の朝の行動習慣を見直すだけで、こうしたリスクを大幅に減らせることがわかっています。
この記事では、冬の朝に気を付けたい健康習慣を6つ厳選してご紹介します。
どれも今日から実践できる簡単なものばかりです。
血圧管理とヒートショック予防に効果的な科学的根拠とともに解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
1.冬の朝が危険な理由|ヒートショックと血圧の関係・・ヒートショックとは?
ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる現象です。特に暖かい布団から寒い部屋へ、さらに熱い浴室へと移動する冬の朝は、血圧が乱高下しやすく非常に危険です。
冬の朝に血圧が上がる3つの理由
1. 気温の低下:寒さで血管が収縮し、血圧が上昇
2. 自律神経の切り替え:睡眠中の副交感神経優位から、活動モードの交感神経優位へ急激に切り替わる
3. 体内時計の影響:起床後2〜3時間は血圧が最も上がりやすい時間帯
日本高血圧学会によると、室温が10℃下がると、収縮期血圧は約8〜12mmHg上昇するとされています。普段の血圧が正常な方でも、冬の朝は注意が必要なのです。
2. 冬の朝に気をつけたい健康習慣6つ
① 起きたらすぐに暖房をつける|室温は18℃以上をキープ
なぜ効果的?
WHO(世界保健機関)は、健康を保つための室温として最低18℃を推奨しています。
起床直後に暖房をつけることで、布団から出る前に部屋を暖め、急激な温度差を防ぎます。
実践のコツ:
• タイマー機能で起床30分前に暖房が入るよう設定
• 寝室だけでなく、廊下や脱衣所も暖める工夫を(小型ヒーターの活用)
• 温度計を設置して、18〜20℃を意識的に保つ
特に脱衣所とトイレは見落としがちですが、ヒートショックの約半数は入浴時に発生するため、浴室との温度差を減らすことが重要です。
② 布団の中で軽いストレッチ|血流を促してから起き上がる
なぜ効果的?
急に起き上がると、静止していた血液が一気に動き出し、心臓に負担がかかります。布団の中で軽く体を動かすことで、血流を徐々に促し、血圧の急上昇を防ぎます。
おすすめの布団内ストレッチ:
• 手足の指をグーパーと10回開閉
• 両膝を立てて左右にゆっくり倒す(各5回)
• 仰向けで両手を上に伸ばし、全身を伸ばす
これらを2〜3分行うだけで、体が目覚めモードに切り替わり、起き上がる際の負担が軽減されます。
③ 起床後すぐに水分補給|コップ1杯の白湯がベスト
なぜ効果的?
睡眠中は約300〜500mlの水分が失われ、血液がドロドロになりがちです。
脱水状態は血液の粘度を高め、血栓(血の塊)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。
実践のポイント:
• 起床後すぐにコップ1杯(約200ml)の水または白湯を飲む
• 白湯(40〜50℃)は体を内側から温め、胃腸にも優しい
• 冷たい水は血管を収縮させるため、常温以上がおすすめ
前夜に保温ポットで白湯を準備しておくと、朝すぐに飲めて便利です。
④ 朝食は必ず食べる|体温を上げて血圧を安定させる
なぜ効果的?
食事をすると「食事誘発性熱産生(DIT)」という現象が起き、体内から熱が発生します。朝食を抜くと体温が上がらず、寒さに対する抵抗力が低下し、血圧も不安定になりがちです。
おすすめの朝食メニュー:
• 温かい汁物(味噌汁、スープ):体を内側から温める
• タンパク質(卵、納豆、ヨーグルト):熱産生効果が高い
• 根菜類(にんじん、大根):体を温める性質がある
特に味噌汁は、発酵食品である味噌の栄養と温かさで一石二鳥。具にわかめやきのこを入れれば、血圧を下げる効果のあるカリウムや食物繊維も摂取できます。
⑤ 入浴前に脱衣所を暖める|浴室との温度差は5℃以内に
なぜ効果的?
ヒートショックによる死亡事故の約半数は入浴中に発生しています。脱衣所と浴室の温度差が大きいと、服を脱いだ瞬間に血圧が急上昇し、熱い湯船に入ると今度は急降下。この急激な変動が心臓に大きな負担をかけます。
安全な入浴のための工夫:
• 脱衣所に小型ヒーターを設置(入浴10分前からつける)
• 浴室暖房がない場合は、入浴前にシャワーで浴室全体を温める
• 湯温は38〜40℃のぬるめに設定(42℃以上は血圧変動が大きい)
• 湯船に入る前に、手足など心臓から遠い部分からかけ湯をする
東京都健康長寿医療センターの研究では、脱衣所と浴室の温度差を5℃以内にすることで、ヒートショックのリスクが大幅に減少することが示されています。
⑥ 急な外出時は首・手首・足首を温める|「3つの首」を守る
なぜ効果的?
首、手首、足首には太い血管が皮膚の近くを通っているため、ここを温めることで効率的に全身の血流を促進できます。急に寒い外へ出ると血圧が一気に上がるため、外出前の防寒対策が重要です。
実践のコツ:
• 首:マフラーやネックウォーマーで必ず保護
• 手首:手袋は指先だけでなく手首まで覆うタイプを選ぶ
• 足首:厚手の靴下や、足首ウォーマーを活用
特に朝のゴミ出しや犬の散歩など、「すぐ戻るから」と油断しがちな短時間の外出こそ要注意。急激な温度変化が最も危険です。
3. 血圧が高めの方への追加アドバイス
すでに血圧が高めの方(収縮期血圧140mmHg以上)は、以下の点にもご注意ください。
起床後の急な動作を避ける
洗顔や歯磨きで前かがみになる動作は、腹圧がかかり血圧が上がりやすくなります。ゆっくりとした動作を心がけ、洗面台の高さが合わない場合は台を使うなど工夫しましょう。
家庭血圧計で朝の血圧を記録
起床後1時間以内、朝食前、排尿後に測定することで、「早朝高血圧」の発見につながります。
早朝高血圧は脳卒中のリスクが高く、医師の診察で伝えることが重要です。
カフェインの摂りすぎに注意
コーヒーや緑茶のカフェインは、血圧を一時的に上昇させます。
朝の1杯は問題ありませんが、連続して飲むのは控えめに。
まとめ|小さな習慣が命を守る
冬の朝は1年で最も健康リスクが高まる時間帯ですが、今日ご紹介した6つの習慣を実践することで、ヒートショックや血圧の急上昇を効果的に予防できます。
今日から始める冬の朝の健康習慣:
1. 起きたらすぐに暖房をつける(室温18℃以上)
2. 布団の中で軽いストレッチ(2〜3分)
3. 起床後すぐに白湯を飲む(コップ1杯)
4. 朝食は必ず食べる(温かい汁物+タンパク質)
5. 入浴前に脱衣所を暖める(温度差5℃以内)
6. 外出時は3つの首を温める(首・手首・足首)
どれも特別な道具や費用は必要なく、ちょっとした意識と習慣の変化だけで実践できます。
特に「急激な温度変化を避ける」「体を徐々に温める」という2つのポイントを意識するだけでも、大きな違いが生まれます。
寒い冬の朝も、正しい知識と習慣があれば安全に快適に過ごせます。
あなたとご家族の健康を守るために、今日からできることから始めてみてください。
小さな習慣の積み重ねが、健康寿命を延ばす大きな力になります。





